PENTAX-M 40-80mmの分解

3月11日に発生した東日本大震災で被災されたみなさまには謹んでお見舞い申し上げます。
あまりの被害の大きさにブログの更新をする気力も失せていましたが、ようやく記事を書いていこうと考えられる様になってきました。

今回は、先日落札したフィルムカメラのMXに付いていたレンズ PENTAX-M 40-80mmを掃除した時、NETで分解手順を検索したのですが、ほとんど見つかりませんでした。
記録の意味も含めて、分解手順をご紹介します。


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
写真の枚数が多いですが、お付き合いをよろしくお願いします。





まずは、後玉の分解です。

K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
マウント部分を固定している5本のビスを緩めて外します。

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
ビスの大きさに合った+ドライバーを使用します。0番のドライバーがピッタリです。

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
ドライバーをビスに押し付けながら、反時計回りに回します。
緩みにくい場合は無理をせず一旦締まる方向へほんのわずか回してみたりすると、緩みやすくなったりします。

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
5本のビスを外した状態です。外したビスは紛失しないように別の容器などに入れておきましょう。

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
マウント部は上に持ち上げると外れます。

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
さて、後玉群の取り外しです。
焦点距離を最小(40mm)にすると、マウント部より出ますので手で緩めることが出来ます。

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
後玉群が外れたところです。

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
今回は、後玉群の中にカビがありましたのでさらに分解します。右手でつかんでいる部分を回します。

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
外れたレンズです。
分解は出来るだけ最小にとどめるべきですので、カビやホコリの付いてる場所でどこまで分解するかを判断します。

 

さて、次は前玉部の分解です。

K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
いつもと同じように銘板を回して外そうとしたのですが、どうも勝手がちがいました。銘板は回るのですが、外れる気配がありません。
どうも、M 50mmのレンズなんかとは構造がちがうようです。

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
ピントリングのビニール(ゴム)輪を外してみることにしました。
ピントリング部に接着されているビニール輪に先の細いドライバーを差し込みます。

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
竹串などを使って、ビニール輪全周を外します。くれぐれも、ちぎってしまわないように慎重に行います。
竹串を回してやると意外と簡単に外れます。

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
接着が全周外れたら、爪を使って徐々に前玉の方向にずらします。

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
ゆっくりゆっくりと、少しずつずらします。

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
外れたところです。

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
思った通り、ピントリングがビス(3箇所)で固定されていました。
このビスを外せば、ピントリングを外すことが出来ます。

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
外れたところです。外したビスはマウント部の固定ネジ同様、紛失しないようにしましょう。

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
3本のビスが見えますが、前玉の分解にはこのビスを外す必要はありません。
無限大を調整・固定しているビスだと思いますので、外すと厄介な結果になるかも知れません。(^^;

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
銘板部にOリングとドア用のクッションゴムを押し当てて、反時計方向に回すと前玉群が外れます。

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
少し回れば、後は指で回して簡単に外すことが出来ます。

 

 


K-x/smc PENTAX-M 35mm/f2.8
前玉群を外したところです。
掃除後の再組立は、分解の反対手順で行えばOKです。
ピントリングのビニール輪は、接着剤などで再固定します。なお、瞬間接着剤は使わないほうがよさそうです。

どうでしたか。
分解は意外と簡単にできますが、行う場合はくれぐれも自己責任で行ってください。
ビスアタマのつぶれやキズなども付く場合がありますので、高価なレンズや思い入れのあるレンズは専門業者に任せたほうが安心できます。
私が分解するのも、Mシリーズレンズまでです。Aシリーズになると接点があるので、取れてしまうと元に戻すのに苦労します。(経験談)

長時間のお付き合い、ありがとうございました。m(__)m

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  • トラックバックは閉じられています
  • コメント (8)
  1. こんにちは。
    いやぁ相変わらず凄い技をお持ちですね。
    それに「外すと厄介な結果になるかも知れません」とは凄い察知力!
    私には絶対に出来ませんし、ゴム輪を切ってしまう自信ならあります ^ ^;

      • Malu
      • 2011 03/21

      >munen_macさん 
      こんばんは。
      >いやぁ相変わらず・・
      いやぁ、お恥ずかしい。なんとかなるだろうと言う、気持ちだけで分解してます。(^^;
      >それに「外すと厄介な結果に・・・
      実は、別のレンズであかんやろなぁと思いながら外したら、元に戻るまで(思っているだけかも)数時間格闘したことがありましたので。
      出来るなら、分解はしないほうがいいです。素人ですからね、分解した時点で、そのレンズは完全にジャンクレンズになりますから。
      光軸が狂う場合もありますしね。

  2. こんばんは。

    大変分かりやすい解説で、とても面白かったです。
    しばらく高いレンズは買えないので、あえてジャンクレンズを買って遊んでみようかな、という気になりました。

    が、自分の不器用さを考えると・・・うーん。

      • Malu
      • 2011 03/21

      >ぼろーさん
      こんばんは。
      >とても面白かったです。
      ありがとうございます。m(__)m
      ネタがないときのレンズネタです。
      大阪の中古カメラ店を良く覗くのですが、ペンタ系のジャンクレンズほとんど見かけないですね。
      SMC Takumaの55mmなんかがあれば、お安いはずなんですが。
      私も細かい作業はつらくなって来てます。手が思うように動かない時も。(^^;

  3. 地震、怖かったっすねぇ~。東日本地区では、まだまだこれから
    大変な様子なので、見守っていきたいと思います。

    レンズの修理、、、面白いですょねっ。

      • Malu
      • 2011 03/21

      >麗智那さん
      こんばんは。
      >地震、怖かったっすねぇ~
      当日、全社員を集めての会議中でして、異様な揺れに、これは大きな地震じゃないかと思いました。
      被災地域だけでなく日本全体でがんばらなくては。
      日本ガンバレ!ですよ。

      >レンズの修理、、、面白いですょねっ。
      ですね。失敗もありますが。(^^;

  4. こんばんは。
    レンズの分解掃除ができるなんてすごいですね!
    いつも中古カメラ屋やハードオフのジャンクレンズ買って
    分解してみようとは思うんですがなかなか勇気がでません。
    でもMaluさんの解説みてやってみようかな。という気がまたでてきました!
    失敗覚悟で今度挑戦してみようかなぁ。

      • Malu
      • 2011 03/21

      >雨帳瑞絵さん
      こんばんは。
      他のメーカーのレンズの構造がわからないのですが、PENTAXのレンズは分解し易く設計されているように思います。
      私も最初はNETで検索し、見よう見真似でしました。
      安い、SMC Takuma 55mmを入手されてはいかがでしょうか?
      念のため、ZOOM系は手を出さないほうがよさそうですよ。

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